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マリファナへの認識と動き始めている医療用カンナビノイド



GWファーマシューティカルズという企業はほとんどの人は聞いたことがないはずだ。

アメリカの株式市場ナスダックにADRとして上場するイギリスの製薬メーカーだが、まだ規模としては時価総額で約1400億円のとても小さな目立たない企業である。

経営状態も非常に悪く、2013年から収益が悪化しており、赤字を補填するために2014年から負債を極度に増やしている。もちろん配当もない。

しかし、この企業は今後、鎮痛、催眠、食欲増進、抗癌、自閉症の治癒、多発性硬化症の緩和、ぜんそくの抑制、てんかんの抑制、生理痛の緩和、嘔吐の緩和、PTSDの緩和等に効果的な薬を続出する可能性がある。

すでに「サティベックス(Sativex)」という多発性硬化症患者の症状を緩和する薬を出していて、この薬が非常によく効くとして好評で28ヶ国で展開されている。

多発性硬化症とは、痛みや温度の感覚が鈍ったり、あちこちが痺れたり痛んだり、視力が急激に低下したり、見えなくなったり、理解力が低下したりする病気である。

多発性硬化症の原因は不明で、それが故に効果的な治療法もなく、患者はせめて症状の緩和でも何とかならないかと切望している。この多発性硬化症にサティベックスは効果がある。


GWファーマの製薬が多くの国で未承認の理由とは


しかし、不思議に思わないだろうか。よく効く薬なのに、たった28ヶ国でしか承認されていない。たとえば、日本でも承認されていない。今後、承認されるかどうか未知数である。

この企業は最近、重度てんかんを抑制する「エピディオレックス(Epidiolex)」という薬も出しており、2016年3月14日、120人を対象とした臨床実験でも効果が認められたことを明らかにしている。

しかし、このエピディオレックスも、サティベックスと同様に多くの国で未承認とされる可能性が高いのではないかと言われている。

なぜなのか。それは、これらの薬の成分が「カンナビノイド」だからである。では、カンナビノイドという成分の何が問題なのか。

このカンナビノイドは「大麻マリファナ)」から抽出されるのだ。その一点で、多くの国がカンナビノイドを「マリファナである」と認識し、それが故に承認することができない状況になっている。

大麻には古代から多くの薬効が認められている。事実、大麻からは多くの化学物質が抽出されており、現在、その数は60種類を超えると言われている。

マリファナを「ドラッグ」たらしめているのは、そこに「多幸感」と「陶酔感」が含まれているからである。

現代社会は、多幸感や陶酔感を生み出すものはタブー化して法的にも禁止して一般庶民が快楽に耽らないように規制を強化する傾向がある。

大麻マリファナ)もまたその中で規制されて、覚醒剤やヘロインのような凶暴なドラッグと一緒くたにされて現在に至っている。



GWファーマシューティカルズ。「サティベックス(Sativex)」という多発性硬化症患者の症状を緩和する薬は、非常によく効くとして好評で28ヶ国で展開されている。


マリファナの成分=ドラッグ」という認識


大麻マリファナ)の有効成分のうち、陶酔や多幸感を生み出すのは、「テトラヒドロカンナビノール」である。

GWファーマシューティカルズ(以下、GWファーマ)が扱っているのは、テトラヒドロカンナビノールではない。カンナビノイドの方だ。

このカンナビノイドは陶酔感や多幸感等の精神作用を生み出す成分は含まれていない。

正確に言えば、精神作用を含まれるカンナビノイドもあるので、GWファーマが扱っているのは、「非精神活性カンナビノイド」と言われている。

この純粋に医薬品の成分として取り出された安全性の高いカンナビノイドは、現在「CBDオイル」として加工されて売られている。この「CBDオイル」こそがGWファーマの主力なのである。

サティベックスも、エピディオレックスも、CBDオイルとして提供されている。

そして2016年3月14日にいよいよエピディオレックスの臨床実験で効果が確認され、カンナビノイドに対する見方が好意的で真剣なものに変わった。

その結果、エピディオレックスは米食品医薬品局(FDA)の承認に向けて動き出す可能性が高まった。

エピディオレックスは重度てんかんの治療薬ではない。これは、危険で重篤なてんかんを安全に副作用なく抑えるものである。しかし、その安全性と効果が臨床実験で確認されたのだから、今後は非常に重要な治療薬になり得る。

しかし、日本では精神作用のあるカンナビノイド成分が、トリップ目的で入り込み、「危険ドラッグ(脱法ドラッグ)」として売られるようになっているので、厚生労働省は2013年に合成カンナビノイド類を指定薬物として違法扱いにしている。

マリファナの成分=ドラッグ」という認識は、今も日本社会では強固な認識となっており、この認識は容易に覆らないかもしれないが、時代は変わりつつあるのも確かだ。


初めてcbdオイルを飲む 結愛(ゆあ)ちゃん
サティベックスも、エピディオレックスも、CBDオイルとして提供されている。


こうした流れは日本に入ってくるのだろうか?


もし、GWファーマの製薬「エピディオレックス」が、世界一厳格な基準を持つ米食品医薬品局(FDA)の承認を得られると、今後GWファーマは、カンナビノイドの薬効成分に含まれた医薬品を続々と発表できる。

カンナビノイドは、最初に書いた通り、とにかく「薬効の宝庫」なのである。しかも副作用もなく安全性が高いのはすでに証明されている。

安全性の高い鎮痛剤、催眠剤、食欲増進剤、抗癌剤、喘息抑制剤、PTSD緩和剤と様々な薬が開発されていくはずだ。

こうした流れは、「大麻マリファナ)=ドラッグ」という認識を一変させていき、現在の欧米で広がっているマリファナ解禁論と結びついていく動きもあるだろう。

大麻マリファナ)は、多幸感や陶酔感があるが故に、古代から使われている自然のハーブであるにも関わらず、いたずらに危険視されてきた。

ほとんど精神依存も肉体依存もなく、むしろアルコールやタバコよりも害がないにも関わらず、まるで覚醒剤やヘロインのような人間を廃人にするドラッグと同様の扱いをされてきた。

しかし、欧米では当初からマリファナは「人間を廃人にするドラッグではない」と規制に反対し続ける声がずっとあったし、オランダのようにマリファナを合法とする国家もあった。

こうした「マリファナの見直し」の声はやがて大きなうねりとなって、アメリカではコロラド州ワシントン州オレゴン州と、次々にマリファナを解禁しており、この流れは今後も続いていく。

アメリカ人のマリファナ観は変化しつつあり、すでに約6割がマリファナ合法化に賛成している。

国としては、ウルグアイが2013年12月にマリファナを合法化しており、カナダ、オーストラリア、メキシコ、ブラジルではマリファナを非犯罪化する流れになっている。

こうした流れは日本に入ってくるのだろうか。今のところはまだその片鱗もないが、もしかしたら時代のうねりは日本をも変えていくかもしれない。

GWファーマの動きは、目が離せないものになってきた。



GWファーマの医薬用の大麻大麻マリファナ)は、多幸感や陶酔感があるが故に、古代から使われている自然のハーブであるにも関わらず、いたずらに危険視されてきた。


ブラックアジアさんより


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