ポンタの想い出

俺に明日はあるのか?

極上のイエローケーキ


極上のイエローケーキ



被害や恐ろしさは理解していても、その仕組みまでは意外と知らない人が多い原子爆弾。普通の爆弾とは何が違うのでしょうか。


原子爆弾とは


ウランプルトニウムなどの原子核が起こす核分裂反応を使用した核爆弾

出典原子爆弾 - Wikipedia

単に爆薬を爆発させるだけの普通の爆弾とは仕組みが全く異なります。

原子爆弾水素爆弾中性子爆弾を総称して「核爆弾」と呼びます

出典軍事板初心者質問(FAQ) - 核兵器全般




原料の違いで2種類に分かれる


広島に投下された原爆は「ウラン爆弾」で、長崎に投下された原爆は「プルトニウム爆弾」

出典ヒロシマ型原爆(ウラン原爆)



原子爆弾の原料であるウランプルトニウムはいずれも「元素」です。


ウラン


ウランは天然のもので鉱山から産出されます。鉱山から産出されるウランは「ウラン238」というものが99.3%を占め、残り0.7%が「ウラン235」というものです

出典ヒロシマ型原爆(ウラン原爆)

ウラン原爆は、この数少ない「ウラン235」が材料となりますので、産出されたウランから100%近い純度の「ウラン235」を取り出すことが必要となります。これを「濃縮ウラン」と言います。



123便事故現場にイエローケーキ?


ウランは地殻や海水中に微量ながら広く分布おり、現在までに知られているウランの70%はオーストラリアに埋蔵されています。

ウランは一般に黄色を呈するため、イエローケーキと呼ばれます。



ウランは蛍光材としても使用され、特にガラスに極微量のウランを着色材として加えた製品をウランガラスと呼ばれます。骨董・アンティークとしてファンも多く、高値で取引されています。


プルトニウム


プルトニウムは天然の元素ではなく、人工的につくられた元素です。ウランよりさらに重い元素であり、ウランよりさらに不安定な元素でもあります

出典ナガサキ型原爆(プルトニウム原爆)

世界各国で行なわれた原爆実験で、プルトニウムが世界中に拡散され、日本の土壌にも若干ではありますがプルトニウムが検出されます

出典原子爆弾放射能汚染と、福島原発周辺地域の放射能汚染




プルトニウムは、原子力発電の原子炉の中で自然につくられます。原子炉において、ウラン238中性子を捕獲してウラン239となり、それがベータ崩壊してネプツニウム239になり、更にそれがベータ崩壊してプルトニウム239ができます。


原子力発電所は電気をつくっている?
プルトニウムはつくっていません?



プルトニウムは金属状態では銀白色ですが、酸化された状態では黄褐色となります。


核分裂反応



ウランプルトニウムを含めたどんな物質でも「原子」からできています。

その原子は、プラスの電気を帯びた「陽子」と、全く電気を帯びていない「中性子」と、マイナスの電気を帯びた「電子」から構成されています。陽子と中性子によって「核」が構成され、その核の周りを電子が回っています。


陽子はプラスの電気を帯びており、プラスとプラスは反発しあうので、そのままでは核の中に集まっている多くの陽子が反発し合って核の中から飛び出してしまいます。

これをつなぎ止めているのが陽子と中性子の「核力」です。陽子と陽子間、陽子と中性子間、中性子中性子間には核力(引力)が働いていて、その核力が電気の反発よりも大きいから陽子が核の外に飛び出すのを防いでいるのです。

何かの刺激を与えてやれば核が容易に分裂します。これを「核分裂」といいます。

出典ヒロシマ型原爆(ウラン原爆)

ウランプルトニウムは不安定な元素で、核分裂しやすいのです。

その際、化学反応とは比べものにならないほど大きなエネルギー(分子や原子間の結合エネルギーに比べて約100万倍以上)を放出します。

出典?を!に...>解説集>>核分裂反応


どうやって核分裂を起こすのか



核に刺激を与えて分裂させるには、核めがけて一つの中性子を外から与えます。

出典ヒロシマ型原爆(ウラン原爆)


核が分裂する時、中性子が外に飛び出します。この飛び出した中性子が他の核に入り込み、その核が分裂、そして分裂した核からまた中性子が飛び出し他の核に入り・・・・、と言った具合にネズミ算式に連鎖が起こり、やがて核全部が分裂を起こすことになります。

これが「核連鎖分裂」であり、核連鎖分裂を起こすことを「臨界」といいます。

出典ヒロシマ型原爆(ウラン原爆)

1キログラムのウラン235の核すべてが連鎖分裂を起こすのは、1億分の1秒という僅かな時間であり、一気に爆発が起こることになります。


臨界事故 何をしていた? リンク


ウラン原爆(ヒロシマ型原爆)


半球型の容器二つに臨界未満のウラン235を詰め、各々を一定の距離を開けてセットします。半球には中性子を放出する装置である「イニシェーター」がセットされています。

起爆装置により爆発が起こり、左半球は右半球に強い衝撃でぶつかり、両半球が合わさり、超臨界に達します。そして、イニシェーターから中性子が放出され、核分裂連鎖反応を引き起こします。

出典ヒロシマ型原爆(ウラン原爆)


プルトニウム原爆(ナガサキ型原爆)


プルトニウム原爆の場合は、完全球型の器の外側に爆薬を仕掛けてあります。中心には中性子を放出する装置である「イニシェーター」がセットされています。

外側の爆薬に寸分の狂いもなく同時に点火すると、その衝撃と圧力によってプルトニウムは一気に圧縮、プルトニウムが超臨界に達します。そして、中心のイニシェーターから中性子が放出され、核分裂の連鎖反応が生じます。

出典ナガサキ型原爆(プルトニウム原爆)

ウラン原爆も最近ではこのような爆縮式の構造となっています。


爆発の威力


核分裂により、超高温(数百万度以上)の火球が生成され、熱線、アルファ線、ベーター線、中性子線、ガンマ線などの強烈な電磁波および高速粒子線が放出されます

出典核兵器



火球は、急速に膨張し、周りの空気を急激に圧縮するため、衝撃波が発生。建物などの施設および、人員に被害を与えます。衝撃波が拡散した後、 火球の温度は急速に低下、気圧は負圧となり、周囲から空気が押し寄せ、これに伴い、地上から破片等を巻き込みます。火球は高温で空気より軽いため上昇しますが、空気抵抗により扁平となり、キノコ雲を形成します。


原子爆弾の欠点


ウラン爆弾もプルトニウム爆弾も、そのすべてを核分裂させるには技術的限界があって、実際には臨界量の10%~20%だけが核分裂し、大部分は核分裂しないまま飛散してしまいます

出典原子爆弾の仕組みと問題点

実際に核分裂に使用される量はリトル・ボーイでは約1%程度だったとされます。

誤爆しないのか

核爆弾は複雑な起爆方法で起爆するので、外部からの破壊が加わっても臨界に達せず、核反応がおこらず、核爆発しないとされています

出典軍事板初心者質問(FAQ) - 核兵器全般



1968年1月21日に、4つの水爆を搭載したアメリカ空軍のB-52爆撃機が墜落しましたが、核爆発は起きませんでした。ただし、核弾頭が破裂・飛散し、大規模な放射能汚染を引き起こしました。


原子爆弾原子力発電所の違い


原子爆弾の原理と原子力発電の原理は全く同じで、核分裂を一気に起こすか、少しずつ継続して起こすかが違うだけです


出典原子力の歴史(1)

エネルギー生産が暴走しないよう、制御棒を原子炉の中に差し込むことで自由中性子を吸収し核分裂連鎖反応をシャットダウンしている


原子炉には低濃縮のウランが使われますが、一方核兵器の場合、強烈な連鎖反応を起こすために高濃度のウランが必要とされています





原子力発電所原子爆弾のような核爆発を起こすことは考えられません??が、重大事故を起こせば放射性物質が広域に拡散することには変わりありません。


この国の国籍は天国にあらず リンク


極上の旨さ イエローケーキ リンク





ウラン
プルトニウム
中性子
材料はある国でつくられ
ある国でつかわれる
地獄への案内人
放射線と共に
ある国の人たちは
冥界の扉を開く