ポンタの想い出

俺に明日はあるのか?

消えゆく国


消えゆく国




貧困が全世帯に拡大して定着していくと日本の光景が変わる


2016年は中国株式市場の崩壊で幕を開けたのだが、新興国の不振はますます鮮明になってきている。そのためグローバル経済全体も状況の悪化が続き、先進国も2016年はGDP成長がマイナスに落ち込むことが予測されている。

日本もまたその余波の直撃を受けている。日米欧の中では日本のみがひどく、日本だけは2017年もマイナス成長に落ちるとIMF国際通貨基金)は予測している。



私たちの生活は年々悪くなってきているが、それでも2000年までは、まだ「真面目にやっていれば報われる」というどこか奇妙な楽観論が残っていた。

さすがに今ではもうそのような楽観論は跡形もなく消えてしまったが、今でもそれを「常識」のように抱いている人も中にはいる。しかし、もうそんな時代ではなくなっている。

・若年層や女性に正社員の道がなくなっている。
・中高年はリストラの対象になっている。
・高齢者や母子家庭が生活保護受給に落ちている。

ここでよく考えて欲しい。就職できない若年層や女性の貧困化も目立ち、40代以降のリストラも当たり前になり、生活保護受給者もどんどん増えているが、そういった状況に陥ってしまた彼らは真面目ではなかったのだろうか?


時代の波が変転すれば不運に巻き込まれてしまう


日本では貧困に落ちていく層が激増しているのだが、彼らは遊びほうけ、好き勝手なことをして、適当に生きていたから困難に陥っているのだろうか?



昨今では東証一部上場企業から新興企業まで、ことあるごとに社員をリストラしている。では、これらのリストラされた人たちは、真面目ではなかったのだろうか?


そんなことはない。みんなまじめにやってきたのだ。


しかし、どんなに真面目であっても、時代の波が変転すれば不運に巻き込まれてしまう人が数百万、数千万人の単位で生まれて来る。

「真面目にやっていれば報われる」

それが今の日本の社会で空しい言葉になりつつあるのは、すなわち時代が変わり、常識が変わって来ているからだ。

「真面目にやっていれば報われる」は、高度成長期の頃に生まれた常識であり、この常識は今はもう機能していない。

「ちゃんと働けば報われる」が成り立たなくなったというのは、今働いている人たち全員の実感になっている。

ブラック企業が問題になっているが、ブラック企業ではなくても、労働条件・労働環境は悪化して、しかも給料が上がらないどころか下がっている。

一流企業であっても、シャープや東芝では数千人単位でリストラが為されている。

「真面目に働けば報われる」というのは、もう完全に非常識になったのだ。これからは、「真面目に働いたところで報われない」というのが常識になる。

グローバル化の時代は先進国の人間の給料を引き下げる動きをする。また、企業はコストの安い海外に職場を移す。だから、この流れは、グローバル化が続く限り止まらない。


「真面目に働けば報われる」というのは、もう完全に非常識になったのだ。これからは、「真面目に働いたところで報われない」というのが常識になる。


政府による収奪は、徹底化されていくことになる


日本人は定年までしっかり働き、定年退職したらあとは悠々自適の生活に入るというのが理想でもあり、常識でもあった。今でもそれが可能だと信じ切っている人もいる。

しかし、これはもうあり得ない。日本政府は必死になってインフレを起こそうとし、年金を引き下げ、受給年齢を引き上げ、医療費の自己負担も上げ、消費税も上げた。

富裕層や優良企業はタックスヘイブンで資産隠蔽をして税金をまともに納めないので、日本政府は取りやすい国民から収奪するしかない。


だから、政府は国民の財産を収奪しに来ている。


政府はタックスヘイブンに隠された金には手を付けないが、国民が義務化されている国民年金を滞納したら、特別催告状をばんばん送りつけて、それでも払わない国民からは容赦なく差し押さえていく。

預金通帳も、車も、何もかも差し押さえていく。


国民年金を払わないのは強欲な金持ちよりも、むしろ払えない貧困層の方が多いのだが、その貧困層からも毟り取るようになけなしの財産を「剥がす」のである。

これから年金が減額されていき、インフレも始まったら、高齢者がもっと追い込まれてしまうのは自明の理だ。国の福祉がいつまでもあると思うのは、もう非常識なのである。

年金で生活などできなくなるというのが、衰退の時代の常識だ。高齢者は巨額の資産を持っていない限り、死ぬまで働かなければならない時代が来る。

そもそも、年金を支える若年層が減っている上に貧困化しているのである。それだけでも年金制度がこのまま維持されるわけがないことが分かる。



少子高齢化の問題は、日本の現在のシステムを崩壊させる時限爆弾である。国の活力低下、内需低下もまた少子高齢化によって年々ひどくなっていく。



タックスヘイブンのパナマ。富裕層や優良企業はタックスヘイブンで資産隠蔽をして税金をまともに納めないので、日本政府は取りやすい国民から収奪するしかない。


漠然と持っていた古い常識では生きていけない

少子高齢化がもたらす問題は、国の活力を削ぐだけではなく、対外的にも大きな問題になっていく。

まず、「日本は日本人だけのもの」という常識も、この少子高齢化によって崩壊する。なぜなら、人口減少によって必然的に外国人が入って来やすい土壌が整うからだ。

人口が減って日本は物理的に土地がガラガラになっていく。地方も人口減で崩壊する。ところが、世界に目を転じると人口はどんどん増えているのだ。爆発的に増えている。

日本は暮らしやすい土地である。それならば、増えた世界人口が日本の真空を埋めるようにして入り込んできたとしても、何ら不思議ではない。

いくら日本人が移民は嫌だと言っても、それを跳ね返す力もなくなっている。移民という形を取るのか、侵略という形になるのかは分からないが、いずれ、日本には大量の外国人が住み着いてどんどん増えて行く国になる。

そして、間違いなく「日本は日本人だけのもの」という常識は消える。遅かれ早かれ、日本はそうなっていく。

当然、現在の日本文化というのも消えていく。ゆっくりと掻き消されるようになくなる。つまり、日本文化は永遠に残るという常識も、今後は非常識になっていく可能性が高い。

日本は元々、世界からみると異質で理解されにくい文化を持った国だ。その国が衰退し、少子高齢化で人口を減らしていくのだから、文化が衰退して消滅しても不思議でも何でもない。

日本文化が今のまま理解してもらえると考えるのは間違っている。日本文化は理解される前に消されてしまう。日本文化は消えるというのが新しい常識となっていく。

「真面目に働いたら報われる」は非常識になる。
「悠々とした年金生活が送れる」も非常識になる。
「日本は日本人だけのもの」も非常識になる。
「日本文化は永遠に残る」も非常識になる。

日本が衰退するという潮流から見ると、今まで私たちが漠然と持っていた古い常識では生きていけなくなる。これほど、日本人は追い込まれているという事実を、客観的に、そして現実的に捉えるべきだ。


貧困は日本の光景を急速に変えていく。

暗雲漂う日本では、今までの常識はもう通用しない。貧困は日本の光景を急速に変えていく。












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